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好きな曲 / 気になった曲 / 観たライブ などについて書いています

Suchmos / THE ANYMAL

THE ANYMAL(通常盤)(特典なし)

 

先日、静岡エコパアリーナで開催されたSuchmosのライブに行ってきました。 

3月27日発売のアルバム『THE ANYMAL』を引っ提げてのツアー…なのですが初日のこの日は3月16日。つまりアルバム発売日前。アルバムの全貌がわからない・掴めない状態でのライブでした。

個人的に、Suchmosのライブはみっちり予習して楽しむ、という感じではないのですが、とは言えセットリストの殆どが知らない曲となると、どんな曲が来るのだろうか?それは私の好みに合うものだろうか?私はライブ楽しめるだろうか?…と、行く前は正直なところ不安な気持ちがありました。

 

しかし、そんな不安が一気に消し飛ばされたライブでした。

良い意味で予想を裏切られました。

『THE ANYMAL』は、これまでのSuchmosの音楽とはかなり方向性の違うものでした。

これまでのSuchmosの音楽と聞いて私がイメージするのは、「裏打ちで踊れるシティポップ的なもの」または「グランジ〜UKロック的なもの」でした。なので、新しいアルバムも、そのどちらかに属するもの、あるいはその2つの要素をミックスしたものが来るものとばかり思っていました。

それが、全然違うものが来てしまったのです。シティポップ的なものでもなく、ロック的なものでもなく、彼らは新しい路線を開拓していたのです。


Suchmos "In The Zoo" (Official Music Video)

全体的にブルージーで、ワールドミュージックを思わせるような部分もある。実験している。自分たちが好きなもの・かっこいいと思ったものを素直に取り込んでいる。そんな感じがしました。

ああ、そういうことだったんだ、と私は一人で勝手に納得していました。

Suchmosは「Suchmosらしい音楽」というものを定義してやっているわけじゃない。ただただ自分たちがその時やりたい音楽をやっているだけなんだ。それがSuchmosらしさということなんだ、、、と。

そういえば、過去にYONCEがこんなことを言っていました。

「僕は、作風が変わっていくことのほうが健全だなと思ってます。デヴィッド・ボウイもそうだし、ビートルズしかり、プライマル・スクリームもそう。どんどんどんどん音楽性が変わっていくじゃないですか。でも、日本のアーティストに関しては、ブレイクしたときの印象のままを維持しないといけないっていう、暗黙の了解のようなものを常日頃から感じてるんです。単純にガキのころから日本のアーティストを見ててそう感じてたんですけど。そういうのがなければ、もっと豊かな音楽文化がこの国に栄えてたのかなと思うとちょっと悲しく思うことがあります」

(中略)

ある意味、つかみどころのない作風で音楽を続けていくことこそがバンドの音楽っていうものを形作っていくのかなと思ってて。例えば、ビートルズっぽさって何?って言われたら、具体的に答えられないじゃないですか。正直アルバムごとにサウンドも違えば、歌ってることも全く違うし。そうなるのが一番理想なのかなって気がしてて」

【インタビュー:Suchmos】1月に2nd E.P.『LOVE & VICE』をリリースしたSuchmos。ボーカルであり、フロントマンのYONCEにバンドのバックグラウンドや現在の意識を訊いた。 | FLYING POSTMAN PRESS KANSAI EDITION

 このインタビューで言っていた通り、Suchmosは作品ごとに作風の変わるバンドになっていくのかもしれません。このバンドが今後どうなっていくのか、ますます目が離せないと思いました。

 

Perfume / エレクトロ・ワールド


[Official Music Video] Perfume「エレクトロ・ワールド」

2018年の紅白で聴けて嬉しかった曲のひとつ。てっきり最新曲だけを披露するのかと思っていたので、懐かしいこの曲がまさかここで聴けるなんて!というサプライズも含めて。

この頃のPerfumeの曲はエレクトロに振りすぎていなくて、中田ヤスタカ氏も自分の色を出しつつ頑張ってアイドルの曲を作ろうとして作っている感があって、そのバランスがとても好き。

またこれくらいのバランスの曲を出してほしいな~と思いつつも、でも現在のPerfumeの立ち位置的にこういうのはもう難しいのかな、とも思ったり…。その当時だからこそできる曲、というのがある気がします。特にアイドルの場合は。 

Complete Best

Complete Best

  • Perfume
  • エレクトロニック
  • ¥2100

 

People In The Box -Kodomo Rengou- release tour @ 静岡UMBER

Kodomo Rengou

前回の記事のKEYTALKのライブから1日空けて、今度はPeople In The Boxのライブでした。

 

新譜を聴き込んで気持ちを盛り上げて、定番曲や手拍子を入れるタイミングなどをみっちり「予習」してからライブに行く…そういうライブの楽しみ方もある*1のですが、私はPeople In The Boxに関しては、あまりそういうことはしません。

Peopleのライブでは手拍子などの決まりごとは特に無く、客層も一緒に盛り上がるというよりもじっくり聴くタイプの人が多いので、覚えて行く必要を感じないからというのがひとつの理由。もうひとつの理由は、私はPeopleのライブを初めて観たときPeopleの曲を殆ど知らない状態だったのですが、Peopleの曲はそういうまっさらな状態で聴いてもスーッと入ってきてくれて、予習よりもむしろ終わってから復習して余韻に浸りたいという気分になるからです。

とは言え、今回の場合は同じ週にパスピエKEYTALKのライブがあったので、予習時間はその2バンドにあて、Peopleの新譜はそこまで聴き込まず…というのが正直なところでした。

 

終わってから、ああ良いライブだった、と思うと同時に、もっと新譜を聴き込んでからライブに行けばよかったなぁ、という後悔をしました。後悔、と言うとネガティブなイメージに聞こえますが、それは気持ちの良い後悔であって、後悔できたことで、私はこのPeople In The Boxというバンドが好きだな、これからももっと聴いていきたいな、と改めて思ったのでした。

 

今回のアルバム『Kodomo Rengou』についてですが、1周目聴いたときは、正直よくわからない、というのが本音でした。得体の知れない違和感がありました。

まず「子供連合」という日本語をタイトルにしているところからして今までと違う。

そしてリードトラックとして聴いた『かみさま』。歌詞がストレートだなぁ…と思いました。「かみさまはいつだって優しい嘘をつく」で始まり、「おはよう」「いってらっしゃい」という挨拶言葉が耳に残ります。


People In The Box「かみさま」Music Video

こうした歌詞のストレートさは他の収録曲にも感じられて、例えば『泥棒』の「退屈ちゃんと嫉妬は友達」「退屈ちゃんとストレスはなかよし」といった一連の表現も露骨だな…と。波多野さんの歌詞はフィクション性が高く暗喩的な表現が多いもの、という認識で聴いていたので、不意を突かれたような感覚でした。

 また、これまでのPeopleのアルバムは1枚ごとにコンセプトがあるように感じられたのですが、『Kodomo Rengou』を最初聴いたときは、そういったものが思い当たりませんでした。

でもきっとコンセプトが無いのではなく、単に私が気づいていないだけなのだろう、繰り返し聴けば見えてきそうな気がする、と思って何周か聴くうちにぼんやりと思ったのは、このアルバムは攻撃的で捻くれた作風と見せかけて、実はPeople史上最も日常生活感の滲み出た、良い意味で普遍的な音楽なのではないか?ということでした。『かみさま』をはじめとするストレートに感じられた歌詞の世界も、そのテーマに辿り着くのかな、と。自分のなかではまだぼんやりとして仮説ですが、ライブを観たことで、この曲たちのことをもっと知りたい、今後も聴いていきたい、と思えました。

 

*1:KEYTALKはまさにそのタイプのライブだと思っています。