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aircheck

好きな曲 / 気になった曲 / 観たライブ などについて書いています

夢みるアドレセンス / ファンタスティックパレード

邦ロック アイドル

KEYTALK首藤義勝さん提供曲です。

彼がアイドルに楽曲提供するのは初*1なので、KEYTALKファンとしてはどんな曲になるのか非常に興味がありました。

というわけで最初にことわっておきますが、今回の記事はアイドル好きとしてではなくKEYTALKファン(首藤義勝ファン)という立場での感想だということをご了承いただきたいです。特に夢アドに関しては、私自身ごく最近興味を持ちはじめたばかりであるので、夢アドファンの方からすると「ニワカが楽曲語ってんじゃねーよ」と思われるかもしれませんが、その点どうかお許しを・・・。

 

邦ロックバンドがアイドルに楽曲提供して双方がファン層を開拓することは今や珍しいことではないですが、なかでもKEYTALKの曲はポップでキャッチーなものが多いし、何せ公式で振り付けのある曲が存在するくらいのバンドなので*2、アイドルとの親和性も高いはず!とは思っていました。

そこで気になるのが「どの程度アイドル側に寄せてくるのか?」という点です。

 素人の推測に過ぎないのですが、バンドでメインの曲を作る人は大きく分けて二種類のタイプがいて、パッと思いついたインスピレーションを元に作っていくタイプと、「こういう曲がほしいからこういう曲を作ろう」と計算して作っていくタイプに分かれるのではないかと思います。個人的に義勝さんは後者ではないかと思っていたので、それだけアイドル側に寄せた曲を出してくる可能性も高いだろうな、と予想していました。

 「ファンタスティックパレード」という曲名からして何だかかわいらしい感じだし、いかにもアイドルっぽい、かわいい曲に仕上げたのかな?と思いながらMVを再生。

 

・・・・・・これ、KEYTALKの曲じゃん!

 

イントロのギターからしてKEYTALK節(というか義勝さん節?)を感じます。もうすぐにでもセルフカバーしてほしいくらい。正直ここまで自分のバンドのカラーを全開にしてくるとは思わなかったので驚きました。

どのくらいKEYTALK色が強く出ているかというのは、同じく義勝さんが提供した私立恵比寿中学の「MISSION SURVIVOR」と比較するとより分かりやすいと思います。

MISSION SURVIVOR

MISSION SURVIVOR

エビ中の方は歌詞も思い切りコミカルにはっちゃけていますが、夢アドの方はそこまで若い女の子向けに目線を下げていないように見えます。また、曲調も打ち込み主体の「MISSION SURVIVOR」に対し、「ファンタスティックパレード」はバンドサウンドでのアレンジとなっており、そのバンドサウンドも、途中で鍵盤などが入るものの、基本的にはベースに4つ打ちドラム、リズムギターに単音で動き回るリードギターという楽器編成で進行していく点がKEYTALKそのままです*3

 

KEYTALKそのまま、というかはっきり言って「MONSTER DANCE」を応用して作ったんだろうな・・・という感じがします。

 

「MONSTER DANCE」に比べると「ファンタスティックパレード」は曲展開はシンプルに、落ちサビを入れるなどしてよりJ-POPらしい構成にしてあると思います。

夢アドのプロデューサーは前作シングルのインタビュー*4において、次のリリース(つまり今作)は"踊れる楽曲"にしたいということをほのめかしています。そのなかでロキノン系における4つ打ちブームにも触れていて、例としてKEYTALKの名前も挙げられています。ここから今回の楽曲提供は「みんなで踊れる楽曲が欲しい」という夢アド側の狙いを実現するための起用だということがうかがえますし、それが結果としてライブでの振りコピ率が高い「MONSTER DANCE」のような楽曲に仕上がったのは当然の流れかもしれません。

 

ただ、ここまで提供する側のカラーが強く出た楽曲となると、純粋に楽曲とアイドル本人との相性が良いかどうかという話になってきます。

私はこの組み合わせ、"有り"だな、と思いました。

冒頭でも書きましたが、私は夢アドに関して興味を持ち始めたばかりであるので、彼女たちのことに関してまだ詳しくは知りません。なので、最初に抱いたイメージをそのまま言いますが、他のアイドルグループと比べて「リア充感が強い」という印象を受けました。最近のアイドルは親しみやすさを売りにするのが主流だと思うのですが、彼女たちはもともとモデル出身の子を集めているということもあってか、良くも悪くもアイドル好きに媚びていないように見えます*5。その媚びてなさが、アイドルらしさに寄せていない楽曲と合っていると思うのです。

媚びてなさ、と言ってもそれは「アイドルなのにこんな尖った曲を歌っちゃう私たち」のようなサブカル的な媚びてなさではなく、あくまでアイドルの範疇での媚びてなさにおさめられています。キャッチーなメロディに王道J-POPな曲展開という基本ルールが守られているからというのもありますが、そもそもベースと思われる「MONSTER DANCE」自体がそこまでサブカル層に受けていた曲というわけでもないからです。

「MONSTER DANCE」は賛否がはっきり分かれる曲です。今ではライブで爆発的に盛り上がる定番曲なのですが、発表された当時はそれまでのKEYTALKとは異なるテイストに戸惑うファンも少なくなかったと記憶しています。特に「踊れや騒げや」という直接的なメッセージと、それと共に公式から提示される振り付けが、ひねくれ者の多い邦ロックリスナーにとっては受け入れ難いものだったのではないかと思います。

しかし今回は邦ロック畑ではなくアイドル畑。「ハシャげ!」と直接的なメッセージを歌うことがダサいと受け止められたり、みんなで一緒に踊りましょう、と振り付けを提示することがおかしいなんて風潮はありません。むしろわかりやすければわかりやすいほど受け入れられる世界だと思うし、その振り切り具合が清々しいです。

 

いろいろ書きましたが、作曲者のファンとしては、この曲が夢アドやファンの方々にとって大事な曲になってくれたら嬉しいなー、と思っています。

また、KEYTALKに関しても何かと「顔ファンしかいないアイドルバンド」のように叩かれがちなバンドであるので、今回のような裏方仕事が彼らのコンポーザーとしての面にもっと純粋に目を向けられる機会になれば、と願っています。

  

 

 

*1:情報解禁は私立恵比寿中学の「MISSION SURVIVOR」方が先でしたが、楽曲自体の公開は「ファンタスティックパレード」の方が先だったため、今回は便宜上こちらを初ということにさせていただきます。

*2:「MABOROSHI SUMMER」「a picture book」「MONSTER DANCE」などの曲に振り付けがあります。

*3:ただし、編曲に関しては「MISSION SURVIVOR」は義勝さんではなく鈴木雅也さんが手掛けています。また、「ファンタスティックパレード」も江口亮さんとの連名になっているので、どこまでが義勝さんの手によるものかはわかりません。

*4:

夢アド仕掛け人が語るグループ戦略、そして『舞いジェネ!』のメッセージ「ここからがわたしたちの時代だ!」|Real Sound|リアルサウンド

*5:この点は先ほどのインタビューを読んだ限り、あえて狙ってやっているのかなと思います。